おいしさは脳で感じている
全ての人がおいしいと思う食品はないように、何かの食品成分がおいしさを感じさせるのではない。つまり、おいしさは食品の中にあるわけではない。
おいしさとは、脳活動における「快感」である。動物は「快感」を感じるように、行動をする。快感は行動の重要なドライバーである。食べ物を食べると、食べ物が放出する味成分が舌にある受容体に結合し、味成分の情報が脳に伝わる。匂い成分は鼻腔にある受容体に結合し、匂い成分の情報が脳に伝わる。脳は、これらの情報と、記憶やその場の状況を全て処理し、食べてよいかどうか、おいしいかどうかを判断するのである。
おいしい、という快感が生じた瞬間、脳の中では「βエンドルフィン」という快感物質が放出されている。これにより、動物は満足感を得る。その直前、脳の中では「ドーパミン」という渇望感(食べたい)を感じさせる物質が放出されている。つまり、行動を起こさせる物質がドーパミンであり、食べ物を発見して、そこに行くまではドーパミンが放出されていて、食べ物を食べると、ドーパミンの放出は抑えられ、βエンドルフィンが放出されて満足感を得るのである。
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