西洋亭のこと3では、西洋亭のメニュー発見について。
西洋亭のこと2で書きましたが、根室時代の西洋亭のメニューが、札幌の北海道立文書館にありそう、という情報を得ましたので、行ってみたところ、「柳田家資料」という文書の中にありました。
柳田家というのは当時の根室の実業家だそうです。
そして、まず最初に明治末期の根室西洋亭のメニューを発見しました。
非常に薄い和紙のような紙質でした。
メニューの右側の方です。
スープ
子牛チャプ (子牛のスペアリブのところでしょうか。子牛チャップ?)
ガラーデ (なにかわからなかったのですが、菊乃井の村田さんにお見せしたところ、村田さんのお母さんが昔、ガラーデというのを作っていた気がする、とのことで、それはゆで卵をひき肉で巻いたものだったそうです。ということは、フランス料理のガランティーヌのようなものだったはずです)
チキンカツレツ
七面鳥ロース
ニクサラダ
チキンパイ
デフロ (これがなにかわからないのです。菓子とチキンパイの間にあるので、アヴァンデセール的なものでしょうか)
菓子
コーヒ (コーヒー)
バーン (パン、だと思います。)
メニューの左側です。
スープ
七面鳥ロース
サシズ (最初わからなかったのですが、サシズ -> ソシズ -> ソーシズ ->ソーセージ!とわかりました。サシズで調べると、当時横浜には「サシズ商会」というのがあったりして、一般的な名称だったこともわかりました。
ガラデ
ビフテキ (祖母もビフテキと言ってましたし、関西では一般的ですね)
ニクサラダ
メンチトマト (意味はわかりますが、どんな料理でしょうか。メンチカツの真ん中にプチトマトを射込んだもの?と思ったりしますが、違うと思います)
チキンポーイロ (これも分からないのです。ポーイロ、が、フランス語のポワレ(poêlé)の英語読みかと思いましたが、無理がありますかね。英語のボイル(boil)かもしれませんが、メインになる料理でしょうか)
というのが一番の発見でした。
また、他にもいろいろあり、柳田家との取引の帳面も発見しました。
まず1つ目の帳面です。明治40年1月から12月分と書いてあります。
読めない字ばかりなのですが、
牛肉
ロース 一斤
スープ 一合椀 二個? 少人数の発注なので、かなり日常的に食べていたのかと思います
チキンロス チキンのロース? チキンのローストでしょうね。(ロースはローストに向いた部位、という意味でしたね)
ロルキャベツ 巻いてますね
オムレツ 巻いてたんでしょうね
牛カツ
ロース 焼代 (ローストビーフの加工賃でしょうか)
チキンカツ
チキンオムレツ
続いて、明治41年1月から12 月分です。
上等料理一人前 値段がよくわかりません
チキンメンチ
ビフカツレツ
チキンカツレツ
チキンオムレツ
メンチ??
これは柳田家の資料です。牧場や漁業を営み、バターを作っている様子が写真で残っていました。
当時の根室港の様子です。軍艦のような船がたくさん見えます。
ということで、根室時代の西洋亭のメニューを発見し、非常に嬉しい旅でした。
次は最後に、創業者の長谷川徳太郎の話を書こうと思います。
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